玩具市場の二次流通データおよび大手オークションの追跡調査によると、リカちゃん本体および衣装カテゴリーにおいて、「特定の学校・企業制服を着用したモデル」の年間取引額上昇率は平均して前年比140%以上を記録し続けています。一般的な玩具が発売から年月を経て緩やかに減価するのに対し、制服リカちゃんは真逆の曲線を描きます。
このリカちゃん制服高騰理由の根底にあるのは、圧倒的な「需給の非対称性」です。一般的な玩具流通に乗るタカラトミー公式限定モデルとは異なり、名門女子校や中高一貫校が創立100周年や120周年を記念して制作するモデルは、基本的に一般市場へ流通しません。学校側の同窓会組織やPTAが主体となって企画し、タカラトミー側に特注するOEM形式をとるため、購入権利そのものが厳格に制限されているのです。
ネット上のコミュニティでは「一般販売されないからこそ、どうしても手に入れたい」という純粋なドールコレクターの執念と、「青春の思い出を手元に残したい」と願うOGたちの需要が真っ向から衝突します。特に襟のラインや校章の刺繍、プリーツの数にまで忠実な再現が施されたセーラー服リカちゃんプレミア価格は顕著で、オークション出品からわずか数分で入札が殺到するケースが日常茶飯事となっています。市場に供給される絶対数が決まっている閉鎖市場だからこそ、価格の上限が外れたバブル状態が恒常化しているのが実情です。