新幹線の色はなぜ決まった?白と青の真相からタバコ説まで徹底解剖

新幹線の色はなぜ決まった?白と青の真相からタバコ説まで徹底解剖

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国鉄の分割民営化以降、JR各社は競うように独自のアイデンティティを車体に反映させ始めました。特にJR東日本が展開した東北・秋田・北陸新幹線のカラーリングは、フェラーリのデザインなどを手掛けた世界的工業デザイナー・奥山清行(Ken Okuyama)氏の参画により、鉄道デザインの概念を一変させました。

東北新幹線E5系「はやぶさ」に採用された印象的なグリーンは、日本の伝統色である「常盤緑(ときわみどり)」と名付けられています。冬枯れしない常緑樹の深い緑をベースに、未来感のあるメタリック粒子を調合したこの色は、東北の雄大な自然と最先端テクノロジーの共生を表現しています。中間の中央帯には、かつての「はやて」のDNAを継承した「つつじピンク(飛雲ホワイトとの境目)」を配置し、視覚的なスピード感を強調しています。

秋田新幹線E6系「こまち」の屋根を大胆に彩る深紅のカラーは、「茜色(あかねいろ)」です。秋田の伝統行事である「なまはげ」の力強さや、秋田の夕焼け空を舞う赤とんぼ(アキアカネ)を想起させるこの色は、雪深い田沢湖線などの在来線区間を走行する際、白銀の風景の中で圧倒的な存在感を放ちます。新幹線の屋根上を濃色で塗る手法は、上から車両を見下ろす駅の跨線橋や沿線の山々からの景観美まで綿密に計算されたものです。

北陸新幹線E7系・W7系に息づくのは、大人の品格と伝統工芸の誇りです。車体上部の鮮やかな青は「空色」と呼ばれ、北陸の澄み渡る青空と日本海の深遠な美しさを投影しています。そして車体中央を走るラインに選ばれたのが、日本の新幹線史上きわめて珍しい「銅色(くがねいろ)」です。これは加賀友禅や金沢の金箔・銅器工芸に代表される北陸の歴史的クラフツマンシップを象徴しており、和の気品とハイテクの融合を高いレベルで達成しています。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。