ネット上の情報では「電話一本でいつでも無料で引き取ってもらえる」と安易に語られることがありますが、実務の現場では契約解釈を巡る数々の摩擦が発生しています。特に注意すべき2大トラブルが、途中解約のペナルティ請求と基礎部分の原状回復トラブルです。
1. 「契約期間の自動更新」によるペナルティの罠
多くの自販機設置契約には「契約満了の3ヶ月(または1ヶ月)前までに書面による申し入れがない場合、同一条件で1年間自動更新される」という条項が含まれています。最初の契約期間(例:3年)が経過していたとしても、自動更新直後に撤去を要求すると「契約期間内の途中解約」とみなされるリスクがあります。良心的な担当者であれば事情を考慮して免除してくれることもありますが、規定通りの違約金を請求されて揉める事例は後を絶ちません。
2. アンカーボルトと路面補修の原状回復トラブル
最も現場で揉めやすいのが、自販機を撤去した後の「地面の状態」です。巨大な自販機は地震時の転倒を防ぐため、地面のアスファルトやコンクリートに金属製の「アンカーボルト」を深く打ち込んで固定されています。自販機を撤去する際、作業員はボルトを根元からサンダー等で切断しますが、以下のような問題が生じます。
- 切断したボルトの頭がわずかに突起しており、通行人がつまずく危険がある
- ボルトを抜いた後の穴から雨水が侵入し、アスファルトの内部が劣化・陥没する
- 自販機の底面跡に長年のサビや油汚れが付着しており、美観が著しく損なわれている
契約書上で「原状回復」の範囲が曖昧になっていると、メーカー側は「機械の引き揚げとボルトの平坦化までが責任範囲」と主張し、オーナー側が望む「完全な穴埋めモルタル充填や路面再舗装」は別料金として押し付けられるトラブルに発展します。撤去立ち会い時の作業範囲は、事前に明確にしておく必要があります。