江戸の超絶技巧「万年時計」の全貌!1度巻きで1年動く謎と復元の真相

江戸の超絶技巧「万年時計」の全貌!1度巻きで1年動く謎と復元の真相

江戸の超絶技巧「万年時計」の全貌!1度巻きで1年動く謎と復元の真相の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

2004年から2005年にかけて、経済産業省の主導のもと、国立科学博物館、東芝、セイコー、現代のトップ時計師やマイクロ加工技術者が集結した「万年時計復元プロジェクト」が実施されました。目的は、経年劣化で稼働を止めていたオリジナルの完全解体修理と、現代の最新技術を用いた寸分たがわぬ「動体レプリカ」の製作です。

プロジェクトチームが本体を分解した際、現場の研究者やエンジニアたちを戦慄させる数々の事実が明るみに出ました。総部品点数は1,000点以上。そのすべてに図面が存在した形跡がなく、田中久重の頭の中にある構想だけで直接削り出されていたのです。

金属分析によって、部品ごとに異なる組成の真鍮や青銅が使い分けられていたことも判明しました。摩耗しやすい軸受部には硬度の高い合金を使い、複雑な装飾部には粘りのある金属を用いるなど、現代の材料工学に匹敵する選択が経験則によってなされていました。

さらに、外からは絶対に見えない部品の裏側や内部フレームに至るまで、手作業による美しいヤスリ目や毛彫りの装飾が施されていました。現代の最新3D-CADと精密工作機械をもってしても、部品の再現と組み立て調整には難航を極め、予定期間ぎりぎりでようやく復元機が完成したという事実は、久重の技術がいかに超越していたかを物語っています。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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