「予約を入れたはずなのに待たされた」「待合室の混雑が気になる」という声の背景には、医療提供体制の構造的な要因が存在します。取材および患者へのヒアリングから判明した混雑の主因は、問診とインフォームド・コンセント(説明と同意)に対する極めて丁寧な姿勢です。1人あたりの診察時間を機械的に3分〜5分で区切る薄利多売型の診療ではなく、患者の生活習慣や不安の背景まで丁寧にヒアリングするため、想定より診療枠が押しやすい傾向があります。
特に週明けの月曜午前、退勤後の患者が集中する平日17時以降、そして平日仕事を持つ層が集う土曜日は、混雑率が平常時の150%〜180%に達することも珍しくありません。さらに、当日の緊急性を要する腹痛患者や発熱患者の受入れが重なることで、タイムスケジュールにズレが生じることがリアルな待ち時間の真相です。
こうした状況を改善すべく、医院ではWeb予約システムおよびオンライン問診を段階的に刷新してきました。初診・再診を問わず、スマートフォンから24時間診察順番や時間帯の指定が可能となり、院外からでも進行状況をリアルタイムで追跡できる仕組みが定着しています。事前問診を自宅で済ませておくことで、受付から中待合室への誘導時間が大幅に短縮されるため、スマートな受診にはデジタルツールのフル活用が必須条件といえます。