突如として両親を奪われた遺族の悲しみは、どれほど歳月が経過しようとも癒えることはない。公判の場でも語られた遺族の切実な訴えは、法廷内に深い静寂をもたらした。感情的な処罰感情に流されず、法と証拠に基づいた客観的判断を下す裁判員たちの苦悩もまた深かった。
本事件の真相解明において決定的な役割を果たしたのが、周辺車両や被害者車両に搭載されていたドライブレコーダーの映像記録である。当時の報道でも、日本放送協会(NHK)をはじめとする報道機関が映像の重要性を連日伝えた。客観的証拠としての映像データは、被告の不自然な弁解を打ち消す強力な武器となり、以後の交通事件捜査の態様を根本から変えた。