サッカー界隈で頻繁に交わされる言説に、「FIFAランキングは親善試合の結果に左右されるため実力を反映していないのではないか」という疑問があります。しかし、現在のランキングシステムにおいてこの主張は明確な誤解です。
2018年ロシアW杯以降、FIFAは「SUMアルゴリズム」と呼ばれるチェスのレーティングに近い計算式を採用しています。この仕組みでは以下の厳格な重み付けがなされています:
- 試合重要度の係数:親善試合(重要度10)に対し、W杯予選(重要度25)、大陸選手権本戦(重要度35〜40)、W杯本大会(重要度50〜60)と、公式大会の比重が圧倒的に高い。
- 相手国の強さの反映:格下の相手に勝利しても獲得ポイントはごくわずかであり、万が一引き分けや敗戦を喫した場合は大量のポイントが剥奪される。
- PK戦の扱い:PK戦での勝利は引き分けに近い係数として処理される。
つまり、日本代表が長期間にわたって15位前後の順位を維持・上昇させているのは、アジア予選などの公式戦で「勝って当然とされる試合で確実に勝ち点を取りこぼしていない」かつ「欧州・南米の格上との対戦でもポイントを死守している」という極めて厳密な数学的裏付けによるものです。「数字だけの見掛け倒し」というネット上の俗説は、現行システムの構造を知れば完全に否定されます。