動物言語学者・鈴木俊貴の真実|シジュウカラ文法解明と経歴の全貌

動物言語学者・鈴木俊貴の真実|シジュウカラ文法解明と経歴の全貌

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研究の現場となったのは、長野県軽井沢町の鬱蒼とした森です。鈴木氏は年間100日以上森に籠もり、個体識別されたシジュウカラの行動と音声を15年以上にわたってミリ秒単位で記録し続けました。

特筆すべきは、実験デザインの厳密さです。鈴木氏は「音声をただ録音して分類する」受動的な観察にとどまらず、仮説を検証するための能動的な野外音響再生実験を考案しました。

たとえば、天敵であるヘビを発見した際に出す「ジャージャー」という特有の威嚇声を聞かせると、シジュウカラは周囲の茂みではなく地上を注視してヘビを探します。一方でタカを警戒する「ヒヒヒ」という声を聞かせると、即座に空を見上げて身を潜めます。鈴木氏はさらに、シジュウカラの鳴き声を逆順(人工的に入れ替えた音声)にしてスピーカーから流す実験を行いました。すると鳥たちは全く反応を示さなかったのです。これは、鳥たちが単音の混ざり合いではなく、語順の規則性を認識して初めてメッセージを理解している決定的証拠となりました。

さらに鈴木氏は、シジュウカラが別種であるコガラなどの鳴き声(異種間言語)を翻訳・理解している事実までも解明。異種混群を形成する森の生態系において、鳥類が高度な情報ネットワークを構築している実態を白日の下に晒しました。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。