日本国内で社会現象とも言える大ブームを巻き起こしたバーバリーブラックレーベルですが、そのなくなった理由の核心は、アパレル大手・三陽商会と英国バーバリー本社(Burberry Group plc)の間で結ばれていたライセンス契約終了にあります。
1998年に誕生したバーバリーブラックレーベルは、三陽商会が英国本社からライセンス供与を受け、日本人の体型と国内トレンドに合わせて独自に企画・デザイン・製造した日本限定のメンズラインでした。当時、本家バーバリーのクラシカルなトレンチコートやスーツは中高年層向けの高嶺の花でしたが、ブラックレーベルはタイトなシルエットと手の届きやすい価格設定(アウターで5万〜10万円前後)を提示。若年層からビジネスパーソンまで幅広い層の心を掴み、レディースラインの「バーバリー・ブルーレーベル」とともに三陽商会の屋台骨を支えるメガヒットブランドへと成長しました。
しかし、2000年代後半から2010年代にかけて、英国バーバリー本社はCEOの交代などを契機に大規模なグローバルリブランディングを敢行します。世界中どこでも同じハイエンドな価格帯と高級感で統一する「プレステージ&ラグジュアリー戦略」を推進する英国本社にとって、日本市場において比較的安価かつライセンス品として大量流通していた独自レーベルの存在は、ブランド価値の希釈化と映ったのです。
公式発表資料や当時の経済紙報道によると、契約延長に関する協議が重ねられたものの、世界展開の直営化・ブランド統合を最優先する本国の強い意向により、2015年春夏シーズン(同年6月末)をもってライセンス契約が満了。これにより、惜しまれつつもバーバリーブラックレーベルは17年の歴史に幕を閉じることとなりました。