染色体異常とは異なり、出生前の遺伝学的検査では判明しないのが自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達特性です。近年、高齢出産と発達障害のリスクに関する疫学研究が国内外で進められています。
これまでの大規模研究によると、母親の出産年齢の上昇だけでなく、父親の加齢(精子のDNA変異やエピジェネティックな変化)も胎児の発達障害発症率に一定の関与があることが示唆されています。ただし、発達障害の発症メカニズムは単一の遺伝的要因だけでなく、環境要因や脳機能の複合的な発達プロセスが複雑に絡み合っています。
「高齢出産だから発達障害になった」と短絡的に結論付けることは医学的に誤りであり、過剰な自責の念を抱く必要はありません。