木嶋佳苗を語る上で避けて通れないのが、異例とも言える複数回の獄中結婚である。死刑確定の前後に渡り、彼女は拘置所に身を置きながら複数の男性と養子縁組や婚姻関係を結んできた。中でも世間を驚かせたのは、大手出版社・新潮社が発行する「週刊新潮」の元デスクとされる男性との再婚劇だった。
取材者と対象者という一線を越え、なぜ男性たちは獄中の彼女に魅了され、籍を入れるまでに至るのか。関係者の証言やこれまでの経過を辿ると、そこには木嶋独特の緻密な自己プロデュースと、相手の懐に潜り込む洗練された人身掌握術が存在する。彼女にとって手紙は単なる連絡手段ではなく、相手の心理をコントロールするための武器なのだ。現在も姓を変えながら、彼女は牢獄の中から自身の保護者であり協力者となる存在を確保し続けている。