サーシャ・バインという指導者の本質はどこにあるのか。SNSやファンコミュニティ、さらには彼が過去に指導したクリニック現場の証言からは、二面性を持つリアルな人物像が浮かび上がってきます。
NHKの特集番組で大阪の高校女子テニス部を指導した際に見せた姿は、まさに彼の真骨頂でした。萎縮する高校生たちに対し、彼は「限界の2%先を目指そう」「ミスを恐れるな、スマイルを忘れるな」と常に肯定的な声かけを続け、わずか数時間の指導で選手の動きと表情を劇的に変化させました。現場の指導者からは「怒声で選手を動かす旧来の指導とは対極にある、内発的動機づけの達人」と絶賛の声が上がっています。
その一方で、ネット上のテニスフォーラム(海外Redditや国内5chなど)では、「情熱的で選手と近すぎる関係を築くため、関係が長続きしないのではないか」という指摘も散見されます。彼自身が情熱を100%注ぎ込むがゆえに、選手側の感情の起伏に巻き込まれやすく、初期の急激な伸びしろが頭打ちになった際の反動が大きいという見解です。この「熱量の高さ」こそが彼の最大の武器であり、同時に諸刃の剣でもあるといえます。