『GTO』の魅力を語る上で欠かせないのが、前日譚にあたる名作『湘南純愛組!』の存在です。漫画家・藤沢とおる氏が『週刊少年マガジン』で連載した同作において、鬼塚英吉は相棒の弾間龍二とともに「鬼爆(おにばく)コンビ」として湘南一帯に名を轟かせた伝説のヤンキーでした。
ヤンキー漫画の主人公がそのまま高校教師へと転身するという奇抜な設定は、一見すると荒唐無稽に映ります。しかし、鬼塚という男の根底に流れるのは「肩書や立場に囚われず、目の前の人間を一人の個人として見る」という愚直なまでの純粋さです。学歴主義や世間体に縛られ、生徒の苦悩を「問題行動」として形式的に処理しようとする既成の教育現場に対し、命懸けの体当たりで壁を打ち破る姿が、読者にカタルシスを与えました。
漫画の人気を背景に制作されたグレートティーチャー鬼塚 アニメ版(フジテレビ系、1999〜2000年放送)でも、鬼塚のダイナミックなアクションと人間味あふれる葛藤が見事に描かれ、日本のみならず海外のアニメファンをも獲得するグローバルな人気作へと成長していきました。