住環境の劇的な変化は、そのまま食生活の大イノベーションへと直結した。竪穴住居の壁面に備え付けられた土製カマドは、熱効率を飛躍的に高め、調理の幅を劇的に広げた。
国立歴史民俗博物館による近年の展示や研究分析でも示されている通り、この時期の食卓は実に豊かだ。主食である米は、以前のような蒸し焼きだけでなく、じっくりと炊き上げる「粥」や「姫飯」として食されるようになった。さらに、キビやアワといった雑穀、どんぐりなどの木の実、シカやイノシシの肉、そして沿岸部や河川で捕れた魚介類が食卓を彩っていた。
土器の分類においても、従来の赤い土師器に加え、高温で焼き締められた硬質な須恵器が登場する。密閉性の高い土器の普及は、食材の長期間保存や発酵食品の醸造を可能にし、人々の健康状態や平均寿命の維持に大きく寄与したと考えられる。