厳格な歴史的背景を持つ金戒光明寺において、若い世代や外国人観光客の間で絶大な人気を博しているのが、通称「アフロ仏像」と呼ばれる石仏です。正式名称は五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)といい、御影堂から墓所へと向かう参道の途中に鎮座しています。
「五劫(ごこう)」とは、落語の『寿限無』でも知られる途方もなく長い時間の単位です。仏教の教えでは、阿弥陀仏がすべての生きとし生けるものを救うために五劫という気の遠くなるような長い間、髪の手入れをする暇もなく瞑想・思索に耽った結果、頭髪が渦を巻いて大きく膨らみ、現在の髪型(螺髪)になったと伝えられています。
日本全国でも十数例しか確認されていない極めて珍しい仏像であり、その愛らしいシルエットの裏には「人々の苦しみを取り除きたい」という深い慈悲の心が込められています。寺院関係者の解説によると、写真を撮影する際は単なる面白半分ではなく、その背景にある深い願いに手を合わせることが推奨されています。