ドラッグストアで「イボ取り薬」として売られている市販薬や、ハトムギエキス(ヨクイニン)のサプリメント、軟膏を使って稗粒腫を治そうとする人が多く見られます。しかし、これらの市販品で稗粒腫を完全に消し去ることは医学的に困難です。
ヨクイニンは、免疫賦活作用によってウイルス性のイボ(扁平疣贅など)に対して保険適用が認められている生薬です。しかし、稗粒腫はウイルス感染ではなく「物理的に閉じ込められた角質の塊」であるため、ヨクイニンを服用しても嚢胞そのものを溶かしたり体外へ排出させたりする直接的なエビデンスはありません。
また、イボ用の市販軟膏(サリチル酸配合のスピール膏など)を目の周りの稗粒腫に塗る行為は極めて危険です。サリチル酸は角質を強力に軟化・剥離する成分ですが、目の周りの薄い皮膚に塗布すると、激しい接触皮膚炎や化学熱傷を起こし、重度の色素沈着を残す原因になります。
ただし、ピーリング成分(AHA・BHA)配合の洗顔料やレチノール(ビタミンA誘導体)軟膏は、肌のターンオーバーを正常化し、毛穴周辺の角質肥厚を防ぐため、「今後の再発を防ぐ予防スキンケア」としては一定の有効性があります。すでにできてしまった袋入りの角質を消すことはできませんが、新たな稗粒腫の発生を抑える日常ケアとして取り入れる価値は十分にあります。