引退から半世紀以上が経過した現在でも、西田佐知子さんが残した歌唱実績は色あせることがありません。1939年大阪府生まれの彼女は、ハスキーで愁いを帯びた独特の歌声で聴く者を魅了し、昭和30年代から40年代の歌謡界に金字塔を打ち立てました。
1960年に発表された『アカシアの雨がやむとき』は、当時の世相(安保闘争の挫折感など)とシンクロし、時代を象徴する歴史的大ヒットを記録しました。さらに翌1961年には、ラテンの名曲をカバーした『コーヒールンバ』が大ヒットし、エキゾチックかつリズミカルな歌唱力で日本中にブームを巻き起こしました。
その後も『エリカの花散るとき』『東京ブルース』『女の意地』など、哀愁漂うムード歌謡の名曲を次々と世に送り出しました。彼女の洗練された都会的なボーカルスタイルは、今なお多くの後進アーティストにカバーされ、歌い継がれています。