読者に凄惨な衝撃を与えたのが、真菰の命を奪った「死因」と、最終選別における「手鬼(ておに)」との戦闘経緯です。炭治郎が藤襲山(ふじかさねやま)の最終選別で遭遇した異形の大型鬼・手鬼は、かつて江戸時代に鱗滝左近次によって捕縛され、藤の花が咲き乱れる牢獄に半世紀以上も閉じ込められていました。
手鬼は鱗滝への怨嗟の念を募らせ、復讐の標的を「鱗滝の弟子たち」に定めていました。その目印となったのが、鱗滝が弟子たちに贈っていた「厄除の面」です。手鬼は面の特徴から鱗滝の弟子であることを判別し、歴代の弟子たちを執拗に惨殺して喰らい続けていました。
生前の真菰は、腕力こそ劣るものの身軽さと鋭敏な動きを武器に、手鬼相手にも善戦を見せました。しかし、手鬼は戦闘中に真菰の精神を完膚なきまでに破壊する非道な心理戦を仕掛けます。手鬼は自分がこれまで喰い殺してきた鱗滝の弟子たちの人数(真菰の時点で13人目)を語り聞かせ、さらに「お前を育てた鱗滝がお前を殺すのだ」という残酷な現実を突きつけました。
育ての親である鱗滝が自分たちを死地に送り出していたという事実の歪められた吐露、そして仲間たちの無念を知った真菰は、激しい感情の動揺から呼吸を乱し、足が止まってしまいます。その一瞬の隙を突いた手鬼の巨大な腕によって手足を千切られ、無残に喰い殺されるという最期を遂げました。この壮絶な死因は、炭治郎に激しい義憤を抱かせ、手鬼を討ち果たす強力な動機へと昇華されます。