羊羹の表面に現れる白いものの正体は、大別して砂糖の結晶(糖化現象)か白カビ(真菌)のいずれかです。これらを正確に見分けるには、質感、広がり方、そして簡単な物理テストの3つの視点が極めて有効です。
第一の判断基準は「立体感と手触り」です。砂糖が結晶化したものは「糖化」または和菓子用語で「シャリ」と呼ばれ、羊羹内部の水分が蒸発して過飽和になった糖分が表面に析出した状態を指します。触ると硬くジャリジャリとしており、光を当てるとキラキラと乱反射するのが特徴です。一方、白カビは菌糸が立体的に立ち上がるため、ふわふわとした綿毛状やクモの巣状の質感を持ち、指で触れると柔らかく崩れます。
第二の判断基準は「お湯による溶解テスト」です。迷った際は、表面の白い部分を清潔なスプーンでごく少量削り取り、熱湯に浸けてみてください。純粋な砂糖の結晶であれば数秒でお湯に溶けて完全に透明化します。しかし、カビの菌糸や胞子は水溶性の炭水化物ではないため、熱湯に入れても溶けずに濁った繊維状の塊として浮遊し続けます。
さらに、匂いの確認も欠かせません。糖化であれば羊羹本来の甘い小豆の香りが保たれていますが、カビが発生している場合は、ツンとする酸臭、埃っぽいカビ臭、あるいはアルコールに似た発酵臭を放ちます。わずかでも異臭を感じた場合は、視覚的に砂糖のように見えても口に運ぶのは避けるべきです。