髪の毛をただの「細い線の集合体」として描くと、画面はどうしても平面的になってしまう。プロが徹底しているのは、頭部全体を大きな立体として捉え、つむじを起点とした束(フリル状の面)として再構築する手法だ。風の動きを意識し、前髪・サイド・後頭部の3つのパーツに分けて時間の流れや重力を計算する。
なびく毛先には「S字カーブ」のラインを取り入れるのが極秘のコツだ。直線的ななびきでは固い印象になるが、緩やかな曲線と毛先のハネを織り込むことで、空気感とドラマチックなニュアンスが生まれる。光のあたるトップ部分に天使の輪のようなハイライトを入れつつ、内側の影を濃く落とすことで、圧倒的な奥行きが画面上に現れる。