アクセサリーの安全性を巡っては、インターネット上で誤った民間療法や思い込みが定着しています。その代表格が「高級な貴金属であれば絶対に安全」という誤解と、「コート剤さえ塗ればどんな安物でも大丈夫」という過信です。
まず警戒すべきは、高価格帯のジュエリーに潜むリスクです。一般的に18金と呼ばれるものは、75%の純金に25%の「割金(わりがね)」を混ぜて硬度を確保しています。ピンクゴールドは銅の比率が高く、ホワイトゴールドはパラジウムを配合することが通例です。そのため、高価なジュエリーであっても18Kゴールドアレルギー反応を示す患者は皮膚科で日常的に確認されています。同様に、ブライダルリングに多いプラチナネックレスアレルギーも、本体の白金ではなく割金に含まれるパラジウムやルテニウムが真の元凶である事例が後を絶ちません。
また、カジュアルジュエリーの定番であるシルバー925変色と痒みの関連性も見逃せません。シルバー925は92.5%の銀と7.5%の銅で構成されています。銀自体は金属アレルギーを起こしにくい金属ですが、空気中の硫黄分と反応して黒ずむ「硫化」を起こします。この黒ずみを落とそうと市販の研磨剤入りクロスで激しく擦ると、表面の保護メッキが削り落とされ、割金の銅が直接皮膚に触れて湿疹を誘発する結果を招きます。
さらに、手持ちのアクセサリーに塗布する金属アレルギー防止コート剤についても注意が必要です。マニキュア状やスプレー式のフッ素樹脂・アクリル系コート剤は、直接的な接触を遮断する応急処置としては機能します。しかし、チェーンの輪が複雑に連なる構造では隙間まで均一に塗布することが不可能であり、首元の屈曲や衣類との摩擦によって数回の着用で剥離します。「塗ってあるから大丈夫」と過信して汗をかくと、剥がれた隙間から高濃度の金属イオンが漏れ出し、かえって症状を悪化させる危険性があります。