禁じられた遊びギター挫折の真相|前半と後半の難易度激変をプロが解剖

禁じられた遊びギター挫折の真相|前半と後半の難易度激変をプロが解剖

禁じられた遊びギター挫折の真相|前半と後半の難易度激変をプロが解剖に関する深掘り記事を分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

一般的に「ナルシソ・イエペス作曲」として認知されているこの楽曲ですが、音楽史の裏側には長年にわたる著作権とオリジナリティをめぐる激しい論争が存在します。 映画『禁じられた遊び』(1952年公開、ルネ・クレマン監督)の音楽監督を務め、当時無名に近かった20代のイエペスがクラシックギター1本で劇伴を担当したことで、映画と共に曲は世界的な大ヒットを記録しました。映画のエンドロールや初期のレコード盤には「編曲:ナルシソ・イエペス」「伝統民謡」とクレジットされていたものの、後年イエペス自身がインタビューや手記において「幼少期(7歳の頃)に母のために作った自作曲である」と主張したことで、クラシック音楽界に大きな波紋を呼びました。 しかし、その後の音楽学者たちの粘り強い調査・文献発掘により、決定的な事実が判明します。19世紀後半のスペインのギタリスト、アントニオ・ルビーラ(Antonio Rubira)が作曲した『演奏会用練習曲(Estudio en Mi menor)』の手稿譜が発見されたのです。さらに、1900年頃にアルゼンチンやウクライナなどで出版されたギター教則本にも、ほぼ同一の旋律が民謡や無名作曲家の練習曲として掲載されていた事実が証明されました。 現在では「スペイン民謡、あるいはルビーラをはじめとする19世紀のギタリストたちが発展させたギター練習曲を、イエペスが映画用に見事な構成力で編曲・定着させた」というのが音楽学上の定説となっています。イエペスの卓越した審美眼と研ぎ澄まされた演奏技術が、埋もれていた古典の小品を世界遺産級の芸術へと昇華させた事実に揺るぎはありません。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。