ネット上で「山崎和佳奈=声優交代」という言説が独り歩きしてしまった背景には、アニメ『ONE PIECE』における伝説的な代役劇の記憶が逆転して伝播したという盲点が存在します。
2001年当時、『ONE PIECE』でナミ役を務めていた岡村明美さんが産前産後休業に入った際、ナミの義姉であるノジコ役を担当していた山崎和佳奈さんがピンチヒッターとして第70話から第78話までのナミ役を代演しました。この際、山崎さんはキャラクターのイメージを一切損なうことなく完璧に演じ切り、制作現場とファンから絶大な賛辞を受けました。
しかし、後年になってネット上の断片的な情報を目にした一部のユーザーの間で、「山崎和佳奈さんが代役を務めた」という事実が「山崎和佳奈さん自身が誰かに代役を立てられた(あるいは交代した)」という記憶の取り違えへとすり替わってしまった経緯があります。声優業界における極めてポジティブな実績が、伝言ゲームのように歪んで誤解を招いた好例と言えます。