2026年春、須佐神社周辺の保存会と地元自治体は、参道への大型観光バスの乗り入れを一部制限するガイドラインを策定した。利便性を追求すれば観光消費は増える。しかし、それではこの地が持つ「気」が枯れてしまう——そんな危機感が地元を動かした。
大型車を遠方の駐車場に止め、徒歩でアプローチしてもらう。不便を強いるこの選択は、結果として参拝者の質を変えた。静かに歩みを進め、鳥居をくぐる前に一礼する。かつて当たり前だった参拝の所作を取り戻す人が増えたのだ。効率主義からの脱却が、結果として聖域の価値を高めている。