放置された軟骨ピアス周辺のトラブルは、時間が解決してくれるほど甘くはない。軟骨組織は血管が少なく、皮膚の再生スピードが遅いという特徴を持つ。ホール内部に微小な傷が生じ続けると、体は損傷を修復しようと毛細血管や線維芽細胞を急激に増殖させる。これが、肉芽腫と呼ばれる炎症性結節の正体だ。
現代の皮膚科学において、治りを遅らせる最大の要因として挙げられるのが「持続的な物理的刺激」である。サイズの合わないファーストピアスが衣服に引っかかる、スマートフォンを耳に強く押し当てる、あるいは横向き寝で圧迫される。これら日常の何気ない動作が、不完全な傷口を絶えず刺激し続ける。無理に潰そうとして針で突く行為は、二次感染を引き起こし肥厚性瘢痕やケロイドへ移行させる最悪の引き金となり得る。