なぜ約2分も静止?マイケル伝説の仁王立ちとスーパーボウルの真相

なぜ約2分も静止?マイケル伝説の仁王立ちとスーパーボウルの真相

なぜ約2分も静止?マイケル伝説の仁王立ちとスーパーボウルの真相の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

しかし、この歴史的瞬間をテレビ中継のサブコントロールルームから見守っていた制作現場は、優雅な感動とは程遠いパニック状態に陥っていました。中継ディレクターを務めた伝説的プロデューサー、ドン・ミーシャーの証言は、当時の凄まじい緊張感を鮮明に物語っています。

リハーサルの段階で、マイケルは演出チームに対して「僕が合図を出すまで曲をスタートさせないでくれ」とだけ伝えていました。現場スタッフは数秒程度のタメを予想していたものの、本番の生放送では10秒が過ぎ、30秒が過ぎてもマイケルは微動だにしません。コマーシャル枠の挿入タイミングやハーフタイムの総尺が厳密に決まっている生中継において、数十秒の遅延は放送事故にも直結する致命的な事態でした。

ドン・ミーシャーはインカム越しに「マイケル、頼むから動いてくれ!」「サングラスを外してくれ!」と半狂乱で叫び続けていたと後に述懐しています。制作陣の胃がキリキリと痛むような極限状態の中で、マイケルだけは10万人の大観衆の波を冷静に見極め、スタジアムの熱気が完全にピークに達した瞬間、ゆっくりと首を傾けてサングラスを外しました。その瞬間に解き放たれたエネルギーは、現場の混乱を一瞬で伝説の歓喜へと変えたのです。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。