取材班が当事者コミュニティやSNS、各種相談窓口に寄せられた生の声を追跡調査したところ、「10〜15軒のクリニックに片っ端から電話をかけたが、すべて初診不可と断られた」「2ヶ月後の予約しか取れず、その日までに生きている自信がないと泣き崩れた」といった、絶望的な体験談が日常的に溢れています。
都内の精神科クリニックで受付業務を担当する医療従事者は、次のように現場の苦悩を明かします。
「毎朝、電話が鳴り止みません。受話器の向こうで取り乱して泣き出す方や、『今日診てくれないと困る』と懇願される患者様も多く、対応するスタッフ側も精神的な消耗を強いられています。当院でも1日に割り振れる初診枠は午前1名・午後1名の計2名が限界です。どんなに助けたくても、物理的に受け入れられないのが現場の苦しい現実なのです」
さらに現場を悩ませているのが、受診者の「無断キャンセル」問題です。数ヶ月先の日程でとりあえず複数院の予約を押さえ、症状が軽快したり他院に受診できたりした際に連絡を入れず放置するケースが後を絶ちません。その結果、本来であれば今すぐ診察を受けられたはずの切迫した患者へ枠が回らないという、悪循環が生じています。