田中義剛の現在を語る上で欠かせないのが、彼の特異な生い立ちと家族の存在です。1958年3月13日、青森県八戸市に生まれた彼は、決して最初から順風満帆な実業家だったわけではありません。
酪農家を志して酪農学園大学酪農学部へ進学したものの、莫大な初期投資が必要な牧場経営への道は険しく、資金調達のために上京してシンガーソングライターとしてデビュー。ラジオの深夜放送パーソナリティなどで頭角を現し、持ち前のトーク力でマルチタレントとしての地位を築きました。つまり、彼にとって芸能界は「自分の牧場を作るための資金稼ぎの手段」という側面を色濃く持っていました。
その壮大な夢を支え続けたのが妻の存在です。田中義剛は1990年代に一般女性と結婚。北海道中札内村の広大な原生林を切り開き、極寒の環境で花畑牧場を立ち上げた創業期、妻は牧場の現場で家計と業務を共に支え続けました。メディアに家族が頻繁に登場することはありませんが、夫婦関係は極めて強固であり、子どもたちも自立した現在、中札内村の広大な自宅敷地で穏やかな私生活を送っています。
地元住民の証言によれば、かつてのような派手なタレント然とした振る舞いは影を潜め、朝から工場の視察を行い、地域の酪農関係者と真剣に議論を交わす「一人の地元の会社社長」として地域に根ざしている様子が伝えられています。