地震が頻発するたびに、インターネット空間には不安を煽る「予言」や科学的根拠を欠いたデマが氾濫する。「雲の形が異常だ」「特定の日に大地震が起きる」といった言説は、人々の心理的動揺につけ込む典型的なノイズに過ぎない。いま求められているのは、科学報道・災害ジャーナリズムが果たすべきファクトチェックと、冷静なリテラシーだ。
現代の地震学において、特定の日時と場所、規模をピンポイントで予知することは技術的に不可能である。しかし、「どこに歪みが溜まり、どの程度の規模の揺れが想定されるか」という確率論的評価は極めて高い精度で確立されている。根拠のない噂に怯える時間を、家具の固定や避難経路の確認という「具体的行動」へと昇華させること。溢れる情報の波から公的機関や査読論文に基づく確かな知見だけを選び取る姿勢が、個人の生死を分ける。