日本プロ野球史上第3位となる通算567本塁打。この数字が持つ意味は重い。門田の身長は170センチ。現代のプロ野球選手と比較しても、決して恵まれた体格とは言えない。しかし、彼は誰よりも強い打球を遠くへ飛ばすことに人生のすべてを賭けた。
彼を一躍時の人としたのが、40歳を迎えた1988年のシーズンだ。主将としてチームを引っ張り、打率.311、44本塁打、125打点という圧倒的な成績を残して二冠王を獲得。「不惑の大砲」という異名は、全国の野球ファンの胸に深く刻み込まれた。加齢による衰えを囁かれる年齢でありながら、進化を止めるどころか全盛期を迎えたその姿は奇跡としか言いようがない。
門田の打撃理論は徹底していた。ボールの「赤道」を擦り上げるように叩き、バックスピンをかけて飛距離を生み出す。腕力だけに頼るのではなく、遠心力と体重移動を極限まで突き詰めたスイングフォームだ。三振を恐れず、常に一球で仕留める覚悟を持って打席に立つ。妥協を許さないその姿勢こそが、前人未到の記録を生み出す原動力となった。