なぜ課長代理という曖昧なポストがこれほど普及したのか。背景には、年功序列と終身雇用を前提とした従来の日本型雇用システムの歪みがある。
ポストの数には限りがあるが、勤続年数を重ねた優秀なベテラン社員を処遇しなければならない。そこで「課長」の椅子を増やす代わりに生み出されたのが、課長待遇や課長代理といった中間的な呼称だった。職能資格制度のもとで、能力はあるがポストに空きがない社員を慰留するためのバッファとして機能してきた歴史がある。
しかし、職務内容と評価基準を明確に紐付けるジョブ型雇用の導入が進むにつれ、こうした曖昧な肩書は急速に見直されつつある。職務記述書(ジョブディスクリプション)において「課長代理」のミッションを定義しようとすると、課長との重複や係長との境界線の曖昧さが浮き彫りになるためだ。役割の明確化を迫られる企業では、代理ポストの廃止や再定義に踏み切る動きが加速している。