この業界の腫れ物をあえてエンターテインメントへと昇華させた異色作があった。企画・原作を秋元康が手がけ、テレビ東京が制作した『共演NG (テレビドラマ)』である。主演の中井貴一とヒロインの鈴木京香が演じたのは、過去に破局した元恋人同士の大物俳優。その生々しい設定は、業界内に小さからぬ衝撃を与えた。
作中で描かれた楽屋の配置争い、スタッフへの根回し、代理人同士の腹の探り合い。あれらは決して荒唐無稽な誇張ではない。関係者たちが口を揃えて「ほぼドキュメンタリーだ」と苦笑したほど、キャスティングのリアルな攻防戦が凝縮されていた。
フィクションの皮をかぶりながら現実のタブーを白日の下に晒す。この試みは視聴者を熱狂させたが、同時に業界の暗部がいかに複雑怪奇であるかを逆説的に証明することとなった。