この小さな鳥の魅力を日本全国、そして世界へと広めた立役者といえば、動物写真家の故・小原玲氏を外すことはできない。アザラシの赤ちゃん写真などで知られる同氏だが、晩年に情熱を注いだのが北海道のシマエナガだった。
小原氏が捉えたレンズの向こう側には、単に「かわいい」だけではない、野生の逞しさと儚さが同居していた。小原氏の作品群の中でも、後ろ姿を捉えたカットは特に評価が高い。カメラに向かって背を向けつつも、ほんのわずかに顔を横に向けた一瞬の横顔や、枝から飛び立つ直前の躍動感あふれるお尻のフォルム。野鳥観察を愛する人々は、小原氏の写真集を通じて「後ろ姿にこそ、野生動物の生き生きとしたドラマが凝縮されている」ことを教わったのだ。