長尺シートとは?Cfとの違いや費用相場・耐久性をプロが徹底解剖

長尺シートとは?Cfとの違いや費用相場・耐久性をプロが徹底解剖

長尺シートとは?Cfとの違いや費用相場・耐久性をプロが徹底解剖とは一体何なのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

DIYブームの影響もあり、SNSや動画サイトでは「長尺シートをネットで購入して自分で貼る」といったコンテンツが見受けられます。しかし、内装専門の施工現場を取材すると、職人たちが口を揃えて長尺シートのDIY施工の難しさと危険性を警告しています。

第一の壁は、その凄まじい「重量と硬さ」です。長尺シートは1本(幅1820mm×20m巻き)で70kg〜90kgに達します。一般住宅の狭い階段やエレベーターで搬入すること自体が至難の業であり、現場で広げて巻き癖を抜くだけでも成人男性複数人の力仕事となります。無理に折り曲げれば、シート内部のガラス繊維や樹脂層に白化(クラック)が生じ、二度と修復できません。

第二の決定的な障壁が、長尺シート特有の溶接施工技術です。幅1820mmを超える広面を施工する場合、シート同士を突き合わせてジョイントを作りますが、長尺シートは単に両面テープで貼って終わりではありません。シートの継ぎ目を専用の溝彫りカッター(V溝カッター)で均一に削り、摂氏300〜400度の熱風を吹き出すライスター(溶接機)を用いながら、塩ビ製の溶接棒を隙間に溶かし込んで一体化させます。

熱風の当て方が弱ければ溶接棒が剥がれて雨水が侵入し、当てすぎれば高価なシートが熱で溶けて縮んでしまいます。溶着後、完全に冷え切る前に余剰分を専用カッターで削ぎ落とす工程には、数年以上の修行を積んだ床職人の感覚が求められます。「ネットで安く買って自分で貼ろうとしたが、下地がガタガタになり溶接もできず、結局プロに撤去と再施工を依頼して倍の費用がかかった」というトラブルが後を絶たない理由はここにあります。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。