本作のもう一つの主役とも言えるのが、ロケ地となった静岡県富士市および富士宮市周辺の雄大な景観です。高橋さおりたちが通学で利用する身延線(岳南電車)の車窓風景や、日常の会話が交わされた富士川河川敷、県大会の舞台となったホールなど、劇中の情景は静岡の穏やかでどこか切ない空気感を鮮烈に焼き付けました。
現在でもロケ地を訪れる映画ファンやモノノフ(ももクロファン)の姿は見られ、地方ロケツーリズムの成功事例として自治体やフィルムコミッションの記録に残されています。
そして、作品のラストを決定づけたのが、ももいろクローバーZが歌う主題歌『青春賦』です。作詞を桑原永江、作曲をしほり、そして編曲を稀代の音楽家・冨田恵一(冨田ラボ)が手掛けたこの楽曲は、合唱曲のフォーマットをベースにした重厚かつ繊細なポップスに仕上がっています。
「別れ」と「旅立ち」を安易な感傷に落とし込まず、前を向いて歩き出す少女たちの覚悟を描いたメロディと歌詞は、公開当時の劇場を深い感動で包み込みました。単なるタイアップソングの領域を遥かに超え、日本の青春映画主題歌史に残る名曲として高く評価されています。