下平さやかという名を全国区へ押し上げた最大の契機は、間違いなく『ミュージックステーション』のサブMC就任だった。1996年から2000年にかけての約4年間、司会のタモリの隣で絶妙な距離感を保ちながら番組を牽引した姿は、まさに音楽バラエティ番組における女性進行役の理想形として語り継がれている。
毎週金曜夜8時、生放送特有の緊張感が漂うスタジオ。国内外のトップアーティストたちが居並ぶ中、彼女が見せた凛とした立ち振る舞いは鮮烈だった。シャープなボブヘアやモード感を取り入れたスタイリング、アーティストの本音を引き出す的確なインタビュー。タモリの自由なトークを柔らかく受け止めつつ、タイムキーパーとしての役割を完璧にこなす職人技は、視聴者のみならず番組制作陣からも絶大な信頼を勝ち取っていた。