千葉のグラウンドから大阪の地に乗り込んだあの日から、周囲の期待は桁違いだった。強豪ひしめく大阪桐蔭高等学校において、1年秋から頭角を現した海老根優大の存在感は際立っていた。規格外のスイングスピードと、50メートルを俊足で駆け抜ける脚力。まさに現代野球が求めるアスリート型外野手の理想像そのものだった。
春のセンバツを制覇した際に見せた豪快な本塁打は、今なおファンの脳裏に焼き付いている。しかし、名門で過ごした日々は栄光ばかりではない。激しいチーム内競争、打撃フォームの微細なズレとの闘い、そして全国制覇の重圧。常にカメラの放列に囲まれながら、彼は自身のエゴを削ぎ落とし、勝つための打撃とは何かを愚直に追い求めていた。