松坂桃李の俳優キャリアを語る上で欠かせない特撮ヒーロー出演歴の真相は、東映が誇るもう一つの看板枠「スーパー戦隊シリーズ」にあります。彼が演じたのは、2009年2月から2010年2月まで放送された『侍戦隊シンケンジャー』の主演、シンケンレッド/志葉丈瑠(しば たける)です。
志葉丈瑠は、代々外道衆と戦い続けてきた志葉家十八代目当主であり、家臣である4人の侍たちを率いる誇り高き「殿(との)」という異色のキャラクター設定でした。当時20歳だった松坂桃李は、若手ながらも当主としての重責と孤独、そして背負った宿命の影を漂わせるクールな佇まいを見事に表現し、子どもたちのみならず同伴する保護者層からも絶大な支持を獲得しました。
もともと松坂桃李は、2008年に男性ファッション誌『FINEBOYS』の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能活動をスタートさせています。松坂桃李 デビュー作の経緯を振り返ると、事務所に所属して間もない演技未経験の状態で臨んだのが『シンケンジャー』のオーディションでした。当時の制作関係者は「立ち姿の美しさと、どこか浮世離れした品格が群を抜いていた」と証言しており、芝居経験ゼロの無名新人がいきなり1年間の長期番組の単独主演に抜擢されるという、異例のシンデレラストーリーを歩み始めたのです。