ネットユーザーの間には、著作権法やブラウザの仕組みに関して幾つかの深刻な誤解が存在します。その最たるものが、「シークレットモード(プライベートブラウジング)を使っていれば身元は特定されない」という盲信です。
シークレットモードが保護するのは端末ローカルに保存される検索履歴やCookieだけであり、プロバイダ側や通信経路にはIPアドレスやアクセスログが確実に記録されています。通信キャリアやプロバイダはログを一定期間保持しており、警察当局の捜査や権利者による発信者情報開示請求がなされれば、契約者情報と紐づけられて身元が浮き彫りになります。
もう一つの盲点は、「ストリーミング再生で閲覧するだけであればダウンロードには当たらない」という解釈です。ウェブページを表示する際、ブラウザは画像を「一時ファイル(キャッシュ)」としてストレージに保存しています。現行の法解釈において、悪質な違法サイトから計画的・継続的に著作物をキャッシュとして読み込ませて保存する行為は、技術的にもダウンロードと同視される余地があります。何より、閲覧行為に伴って発生するアドウェアの自動インストールやマイニング被害は、ダウンロードの有無に関係なく訪問者を直撃します。