ブライダル業界の関係者やプランナーへの取材、そしてSNS上のリアルな投稿を追跡すると、数字の背後にある「切実な人間模様」が浮かび上がってきます。
都内の大手ゲストハウスでチーフプランナーを務める関係者は、現場の実情を次のように明かします。
「原材料費や人件費の高騰により、フルコースの婚礼料理とフリードリンク、ウェディングケーキを合わせると、ゲスト1名あたりの原価だけで2万円前後に達します。これに引き出物やペーパーアイテムが加わると、3万円のご祝儀をいただいてようやく実費がトントンになる計算です。新郎新婦側が儲かるどころか、会場使用料や衣装代などはすべて新郎新婦の持ち出し。それでも友人たちを呼びたいという強い想いで式を挙げています」
一方、SNSや大手コミュニティ掲示板には、招待される側の悲痛な叫びも溢れています。
「春先と秋口のブライダルシーズンに月3回の結婚式が重なった。ご祝儀だけで9万円、さらにドレスの新調やヘアセット、遠方への交通費を含めると1ヶ月で15万円以上が吹き飛んだ。祝いたい気持ちは本物だが、給料の半分以上が消える現実はあまりに過酷」(20代後半・女性会社員)
また、新郎新婦側の本音としても、知恵袋などで「親友から2万円しか包まれていなかったが、今後の付き合いをどうすべきか」「手作りの品だけでご祝儀がなかった」といった金額を巡るトラブルの相談が後を絶ちません。金額そのものが人間関係の通信簿のように機能してしまっている現実は、現代の結婚式が抱える構造的な歪みとも言えます。