三木氏の真骨頂と言えるのが、一見すると掴みどころのない「胡散臭い男」の演技です。『BLEACH』の浦原喜助はその筆頭でしょう。普段は下駄に帽子というラフな姿で飄々と振る舞いながら、ここぞという場面では圧倒的な強者としての凄みを覗かせる。その二面性の切り替えがあまりにも自然で、視聴者は瞬時に彼のペースに引き込まれてしまいます。
そして『物語シリーズ』の貝木泥舟役は、彼のキャリアにおける一つの到達点と言えます。金を愛し、人間を信じない詐欺師。しかし『恋物語』で見せたモノローグの味わい深さはどうでしょう。冷酷でありながらどこか哀愁を帯びた声の響きが、作品全体に独特の重厚感をもたらしました。