長年にわたり、入学手続きと同時に自動的に会員とされ、会費が給食費などと一緒に引き落とされる「自動強制加入」が慣例化していたPTAですが、その法的基盤は根本から見直されています。PTAは学校教育法などに規定された公的機関ではなく、あくまで私的な社会教育関係団体(民法上の権利能力なき社団)です。したがって、憲法第21条が保障する「結社の自由(結社しない自由を含む)」に基づき、加入するか否かは各家庭の完全な自由意思に委ねられています。
文部科学省も度重なる事務連絡や手引において、PTAが任意加入の団体であることを保護者へ明確に周知するよう各自治体の教育委員会へ要請を続けてきました。2024年から2026年にかけては、全国の公立小中学校で「入会届」の提出を正式に導入する動きが急速に拡大しています。意思確認を行わずに会費を徴収する行為は、法的には不当利得返還請求の対象になり得るほか、強制的な役員割り当ては民法上の不法行為を構成するリスクがあると法曹関係者からも指摘されています。
大都市圏の公立小学校を中心に、加入率100%という数字は過去のものとなりつつあります。文教エリアや共働き率の高い地域では、PTAに入らない人の割合が全体の15〜25%程度に達する学校も珍しくありません。PTAを解散してボランティア制のサポーター組織へ移行する学校や、外部委託(アウトソーシング)を進めて業務を大幅にスリム化する動きが標準的な選択肢として定着しています。