トラブルの火種として最も顕著なのが、ライブ本編後に行われる特典会、とりわけツーショット撮影の場です。地下アイドルのチェキ会トラブルは、単なる金銭の授受にとどまらず、ファンとメンバー双方の精神的・身体的な安全を脅かすレベルに達しています。
2025年秋に都内のライブアイドルグループを電撃脱退した元メンバー(21歳)は、匿名を条件に当時の生々しい内情を語ってくれました。
「最初の面談では『本格的なダンス&ボーカルグループ』と説明されていました。しかし動員が伸び悩むと、運営スタッフから『他のグループはあそこまで密着してチェキを売っている。うちももっとサービスしないと売上にならない』とプレッシャーをかけられるようになりました。断りきれずにファンからの腰への密着や過剰なボディタッチを受け入れているうちに、私生活でもつけ回されるようになり、精神的に限界を迎えました」
一方で、熱心に通い詰めるファンの側にも深刻なファンモラル問題が横たわっています。数百万円単位を投じるいわゆる「太客(ふとく)」と呼ばれる一部の熱狂的支援者が、「これだけ金を落としているのだから特別扱いされて当然だ」という歪んだ特権意識を肥大化させ、規定時間を超えた居座りやプライベート情報の聞き出しを強要するケースです。
これに対し、現在では多くのプロモーターが地下アイドルの接触イベントルールを細分化し、「手や肩への接触厳禁」「演者の立ち位置から1メートル以内への立ち入り禁止」「私物の持ち込み制限」といった防壁を設置する動きが標準化しつつあります。境界線を曖昧にしたまま「ファンサービス」という美名のもとに放置すれば、それは容易にハラスメントと犯罪の温床へと転がり落ちてしまうのが現場の冷徹な現実です。