今回の独自取材で明かされたのは、劇場での軽妙な語り口とは対照的な、求道者のような日常のストイックさだった。体調管理や発声への細やかな配慮はもちろんのこと、世の中の些細なトレンドや若者の言葉遣いにまで常にアンテナを張り巡らせている。決して過去の遺産で舞台に立たないという強烈なプロ意識がそこにある。
さらに現在、自身の高座やコンビとしての活動と並行して力を注いでいるのが、後進の育成と上方漫才の伝統継承だ。舞台袖から若手のネタをじっと見つめ、求められれば的確かつ温かい助言を送る姿が目撃されている。他では語られてこなかったエピソードとして、劇場に立つ若手芸人のひとりはこう証言する。「まさと師匠は『伝統を守るちゅうのは、昔のやり方をそのままなぞることやない。今の客に伝わる言葉で勝負し続けることや』と教えてくれた。あの言葉が今の僕らの指針です」。