地元住民の間で今も議論されるくねくねラーメン茜部店の閉店理由を探ると、単なる一店舗の売上問題にとどまらない、郊外型ラーメンチェーンを取り巻く三重苦が浮かび上がってきます。
第一の打撃は、2022年以降に急加速した豚骨ガラ・小麦粉・食用油の仕入れ価格高騰です。くねくねラーメンの看板である濃厚なスープは、大量の豚骨を長時間強火で炊き上げる製法を基本としています。これに伴うLPガス・都市ガス代や電気代の上昇幅は、2020年比で約35〜50%増に達しており、長時間営業を前提とするロードサイド店ほど固定費の圧迫が深刻化しました。
第二に、同店の代名詞であった名物キムチ食べ放題の原価負担です。白菜や唐辛子、調味料などの輸入コストが跳ね上がるなか、無料提供を維持することは店舗採算において極めて重い足かせとなりました。客単価が1,000円前後に留まるなかで、副菜を無制限に振る舞うビジネスモデルは、原価率の上昇局面においてダイレクトに営業利益を削り取っていきました。
第三に、深夜帯の人手不足と国道21号線周辺の競合激化です。岐阜市茜部大川エリアは、外食激戦区であり、深夜営業のアルバイト確保に必要な時給水準が高騰し続けました。夜型ドライバー需要に支えられてきた営業モデルにおいて、深夜シフトの欠落は致命的な機会損失を生み、結果として戦略的な統廃合や撤退を決断せざるを得ない経営判断へと至ったと分析されます。