多くの読者が抱く疑問が、「なぜ10や5のような分かりやすい数字ではなく、あえて7なのか」という点です。作中で描かれたヤモリ 拷問 理由は極めて残酷かつ実利的なものでした。人間や喰種は、耐え難い激痛や極度のショックに直面すると、防衛本能として意識を失う(失神・気絶する)か、ショック死に至ります。しかしヤモリの目的は相手を殺すことではなく、「苦痛を可能な限り長く、鮮明に味わわせること」でした。
意識を失わせず、脳を強制的に覚醒させ続けるためには、思考を完全に停止させてはなりません。そこでヤモリが課したのが「連続した計算作業」です。そして1000引く7 計算結果を順に追うと、以下のような数列が生まれます。
1000 → 993 → 986 → 979 → 972 → 965 → 958 → 951 → 944 ……
引く数字が「2」や「5」、「10」であれば、暗算のパターン化が容易であり、意識が朦朧としていても反射的に答えられてしまいます。逆に「13」や「17」のような大きすぎる素数では難易度が高すぎて計算不能に陥り、パニックから意識を遮断してしまうリスクが生じます。繰り下がりが連続して発生し、作業記憶(ワーキングメモリ)と前頭前野の集中力を限界まで稼働させなければ解けない絶妙な負荷こそが「7」という数字の持つ特性なのです。
臨床医学の現場に目を向けると、この手法は決して架空の思いつきではありません。精神科や神経内科で認知症やせん妄、頭部外傷後の意識障害を診断する世界共通のスクリーニング検査「MMSE(ミニメンタルステート検査)」や「長谷川式簡易知能評価スケール」において、注意機能と計算能力を測定する代表的項目として連続引き算テスト 認知症の現場で「100から順に7を引く(Serial 7s)」課題が正式に採用されています。医療では脳機能の健全性を測るための指標が、作中では「脳を覚醒させ続けて地獄の苦痛を余すところなく知覚させる」という最悪の拷問技術として悪用されていたのです。