マヨネーズのパッケージは、残量が減るにつれて重心が不安定になり、冷蔵庫のドアを開け閉めする遠心力で簡単に倒れる構造になっています。この転倒を防ごうとして、多くの家庭で無意識に行われているのが「キャップを下にした逆さ保存」です。しかし、ここには調味料の構造上の大きな落とし穴が存在します。
キユーピーや味の素など大手メーカーの公式解説によると、マヨネーズは「油」「卵」「酢」が絶妙なバランスで混ざり合った「水中油滴型」のエマルション(乳化状態)で成り立っています。この乳化構造は非常に繊細で、0度以下の冷気にさらされたり、激しい温度変化を受けたりすると油が分離して元に戻らなくなります。
特にマヨネーズの逆さ保存で分離が起きる理由は、キャップ付近に重力で油分と水分が集中しやすくなるうえ、冷気吹き出し口の近くに置かれると急速に冷やされ、乳化を保っている卵の膜が破壊されてしまうためです。一度分離したマヨネーズは風味や舌触りが著しく劣化し、本来のコクが失われてしまいます。マヨネーズの冷蔵庫ドアポケットへの配置が基本とされるのは、冷えすぎを防ぎつつ適温(約5度〜10度)をキープできる理にかなった選択だからです。