彼女のフィルモグラフィを振り返ると、極端に振り切った「怪演」から、まるでそこに生きているかのような「日常劇」まで、演じるキャラクターの幅広さに驚かされます。お茶の間にその存在を知らしめたのは、2014年の連続テレビ小説『花子とアン』でした。ヒロインの同期生であり、強烈なプライドを持つ作家・宇田川満代役を好演。高飛車な物言いの中ににじむ作家としての孤独や情熱を見事に表現し、朝ドラファンから絶大な支持を集めました。
さらに2019年の社会現象となったドラマ『あなたの番です』では、マンションの住民でゴミ分別に異常な執着を見せる木下あかね役を担当。住民のゴミ袋を平然と持ち帰り、無表情で選別する不気味な佇まいは、サスペンスの緊張感を極限まで引き上げるキーマンとして視聴者を戦慄させました。
一方で、バカリズム原作・脚本の『架空OL日記』で見せた酒巻ちゃん(酒巻和代)役は、対極の魅力を放っています。銀行の更衣室や給湯室で繰り広げられる他愛のない世間話、上司への愚痴、絶妙な相槌の間合いなど、元OLの実体験が余すところなく投影されたナチュラルな演技は、「本当にどこかの支店にいそう」「演技に見えない」と共感の嵐を巻き起こしました。