コミュニケーション心理学の観点において、ユーモアとは「相手の承認欲求を満たし、心理的距離を縮めるための高等技術」です。単に笑わせることが目的ではなく、「あなたという存在を尊重し、親愛の情を抱いている」というサインを届ける手段にほかなりません。
還暦を迎える人は、キャリアの区切りや身体的な変化に伴い、少なからず「社会的な役割の喪失」や「加齢への不安」を抱えています。そこで効果的なのが、「自己効力感(自分はまだまだやれるという感覚)」を刺激するメッセージ設計です。
「60歳になったからこれからはゆっくり休んで」と引退を促すのではなく、「60歳になったこれからの活躍も楽しみにしています」「これからも私たちの頼れるボスでいてください」というように、本人のエネルギーを肯定する方向でユーモアを添えることが、真に心に刺さる大人の祝い方です。