モールス信号のSosはなぜ生まれた?意味と打ち方・歴史の真相

モールス信号のSosはなぜ生まれた?意味と打ち方・歴史の真相

モールス信号のSosはなぜ生まれた?意味と打ち方・歴史の真相の重要なポイントについて、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

SOSが国際規格として採択された後も、現場での普及には時間を要しました。その過渡期を象徴する世界的な大事件が、1912年4月14日深夜に起きたタイタニック号 SOS モールス信号の発信劇です。

当時、イギリスの民間通信会社であるマルコーニ社の無線機を積んだ船では、同社独自の遭難信号である「CQD」(CQ=全局呼び出し、D=遭難/Danger)が広く使われていました。タイタニック号が氷山に衝突した直後、上席通信士のジャック・フィリップスは、船長の指示を受けてまず従来の「CQD」を繰り返し打電しました。

救難史の貴重な一次記録として語り継がれているのが、生還した次席通信士ハロルド・ブライドが当時の米上院公聴会やニューヨーク・タイムズ紙の手記で語った生々しい証言です。沈没が差し迫る極限の通信室で、ブライドはフィリップスに対して次のように進言しました。

「新しい信号『SOS』も送ってみてください。これは新しい合図ですから、今使わなければもう二度と使う機会がないかもしれません」

この言葉を受け、フィリップスはCQDに加えて国際新規格のSOSを混じえて打電を開始しました。極寒の大西洋上で発信された「CQD CQD SOS SOS MGY(タイタニックの呼出符号)」という打電は、周辺航行中の客船カルパチア号などに届き、700名を超える生存者の救助へとつながりました。この海難事故を契機に、無線通信の国際的統一の重要性が全世界に痛感され、SOSは名実ともに世界共通の救難シグナルとして定着することになりました。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。